【Memorable Hotel1-1】Introduction ホテルリゾートとスパの聖地 バンヤンツリー・プーケットの軌跡

Memorable Hotel

錫で汚染された悲しみのビーチを楽園に

設者はシンガポール生まれのホー・クウォンピンとクレア・チャン夫妻。訪タイしたふたりが別荘用に入手した海辺の土地は驚くほど安価でした。しかし、それには仰天する理由があったのです。美しさに感動し購入の理由に至ったエメラルド色のラグーン(湖沼)は錫の汚染によるもので草木は勿論、人や動物が住むのは困難なエリアだったのです。

19世紀、この辺りは錫の採掘場で知られ、豊かで活気に溢れていました。しかし錫や薬剤は土壌を汚染。海洋生物をも破壊させ、開発不能な地域と指定されるほど瀕死の状態で長い間、捨て置かれ、悲しみに喘ぐ土地だったのです。それに嘆いた彼らが再開発を決意したのは1980年のこと。大地の浄化、ラグーンの水を抜き洗浄を施す。根気と資金、なにより時間のかかる作業の先に見えていたのは今日の楽園、ラグーナ・プーケットだったに違いありません。

然とやすらぎを取り戻した荒野に夫妻はホテルを創設。同時にトロピカル・ガーデン・スパの発案者として知られるようになります。

夕陽の沈む美しいラグーナ・プーケットの浜辺。バンヤンツリー・プーケットの敷地に面している

タイをスパ天国に押し上げたトロピカル・ガーデン・スパ

まやタイといえば”スパ天国”と賞賛を浴びるスパの先進国。旅に欠かせない癒しと楽しみです。もともと「スパ」 とはベルギーの温泉で有名な都市の名前。温泉や水を使った治療、療養を意味するSpaの語源となりました。

マイナスからのスタート、苦難を経て1994年にオープンしたバンヤンツリー・プーケット。早速、革新的なリゾートスパを打ち出します。それがトロピカル・ガーデン・スパ。タイ古式マッサージやハーバルボウルといったタイの伝統療法、さらにアロマテラピーやフラワーセラピーなどを加え、東洋と西洋の癒しを融合させボディセラピーを屋外で行なうスタイルです。

スパ・サンクチュアリーの施術の一例。フットバスや屋外でのマッサージは常夏のタイならでは心地良さ

れまでのホテルスパといえば、無機質な個室で行う施術や美容が中心だったこともあり、ホテルをバックアップする多くの投資家やコンサルタントからは大反対を受けてしまいます。

しかしそれはただの保身でしかありませんでした。サービスをスタートさせると瞬く間に欧米のゲストを魅了、世界的なスパブームへと繋がります。こうして土地を復活させ、プーケットを新たに活性化させたのは創業者の信念。逆境を乗り越え、聖地へと昇華させたのです。

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