
【BOOK 旅先で読む本4】島﨑今日子著 『森瑤子の帽子』幻冬舎刊
「夏が、終ろうとしていた。」という書き出しから綴られたデビュー作『情事』と共に38歳で文学界に生まれでた小説家、森瑤子。その15年後の夏の始まり、52歳の短い人生を生き抜いて、逝った。それから26年。100冊を超える本を発表した昭和から平成の、賑やかで少し浮かれた
「夏が、終ろうとしていた。」という書き出しから綴られたデビュー作『情事』と共に38歳で文学界に生まれでた小説家、森瑤子。その15年後の夏の始まり、52歳の短い人生を生き抜いて、逝った。それから26年。100冊を超える本を発表した昭和から平成の、賑やかで少し浮かれた
夢心地を漂う、非日常を流れる旅とショートショートはよく似ている。そして、僅かな時間で完結する物語は現実逃避という日々の"旅"にも最適だ。2015年にスタートした第1回ショートショート大賞を受賞した堀真潮さんによる『夢と気づくには遅すぎた。』は5章、18篇からなる一冊。
死は平等に、誰にでも訪れる。裸で生まれてきたとき同様に魂はなにも持たず身軽に旅だっていく。同時に永遠に残していけるものが唯一あるとしたら、それは「ことば」なのだと本書を読み始めてすぐに"樹木希林"という人に教えられる思いがこみあげてくる。その死から3か月後に発売
『うつくしい繭』が見せてくれるもの。それは私たちが知っているつもりで、知らないアジア。タイの現地出版社に勤務したのち、東ティモール、フランス、インドネシアなどに滞在した経歴を持つ著者の目で見て、肌で感じて紡いだ、蜃気楼のような世界観。東ティモール、ラオス、南インド