麻布十番駅から徒歩すぐ、見逃してしまうほど小さく店名を掲げた隠れ家『麻布割烹 十(とう)』が2025年4月誕生した。「うすなが牧場」出生の純血統但馬牛にこだわり、割烹仕立てで提供する店だ。
ここで腕を振るうのは新宅裕之シェフ。西日本の日本料理店や肉割烹店にての研鑽の成果を提供している。主役となるのは新宅シェフがほれ込んだ「うすなが牧場」(神戸市西区)の純血統但馬牛「うすなが牛」だ。

カウンター10席のみ。ライブキッチンの如く、食材と新宅シェフの調理を眺められる 写真提供:麻布割烹 十
「うすなが牧場」は、肥育から繁殖まで行う但馬牛の一貫生産を手掛ける牧場。肥育飼料には自家栽培の米、さらに酒粕やみりん粕、ビール粕といった食材を加えたオリジナル。手間を惜しまない飼育の結果が味に表れている。
生産者から直送された新鮮な肉を味わい尽くす手段は「生肉」。勿論、厨房施設ほか取り扱いには十分に目を配り、東京都港区保健所の「生肉提供許可」も取得している。サシは控えめ、肉は甘く滑らかで喉を通り過ぎると旨味の余韻がある。
| <詳細> おまかせコース10品:30,800円、19,800円(各税込) 予約方法: 03-6381-7444(17:30~23:00) WEB予約:https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13306129/ (食べログ) |

「キャビアフィッシュ&法皇キャビア」。キャビアフィッシュ(チョウザメ)は一晩昆布〆されている 写真提供:麻布割烹 十
主役を引き立てる食材も主役級。例えば、希少な愛媛県のキャビアフィッシュと法皇キャビアも、その一例だ。愛媛県法皇山脈の清らかな湧き水で育ったキャビアフィッシュから産まれたキャビアは最高の鮮度。3%と塩気が控えめなのは輸入品のように低温殺菌されていないから。「愛媛県産 法皇キャビア」は食の逸品コンクール 「料理王国100選 2025」に選定されている。滅多にない至高のキャビアと出逢える機会だ。

(左)淡路島の鱧の焼霜造りと北海道根室産の塩水雲丹(右)神戸牛すね肉と松茸の御椀
神戸牛は、あえてA4ランクを選び店内で熟成。部位ごとに適した調理をおこなっている。結果、コースでいただいても重くない。また、料理は、その日届く旬の食材によって変わる。食を締めくくるデザートも新宅シェフが手掛けているので味の調和が最後まで途切れない。

神戸牛サーロインのすき煮と黒トリュフ
食べることに没頭するもよし、語らいと美食の場にするもよし。アルコール、ノンアルコールのドリンクメニューも用意されているが「SSI公認日本酒唎酒師」を持つ新宅シェフならではの日本酒のペアリングを楽しむのも一興だ。肉好きなら迷わず『麻布割烹 十』を訪ねたい。
麻布割烹 十 (あざぶかっぽう とお)
住所:東京都港区麻布十番2-1-11 LA CITY麻布十番LUCE 2F
電話番号:03-6381-7444
HP:https:// www.azabukappou-10.com
アクセス:都営大江戸線麻布十番駅徒歩1分
東京メトロ南北線麻布十番駅徒歩1分
それぞれ4番出口より141m
Text & Photo: Satsuki Izumi
Voyagerは旅を愛し、旅で生かされる” 大人” のためのWeb マガジンです。旅に欠かせないもの、それは感動とストーリー、かけがえのない想い出。そのために実際に取材を経て、生の声を伺い記事を制作しております。だからこそ、このサイト全般において文章・画像等の無断転載、無断転記は固くお断りしております。文章、写真の著作権はすべてVoyager編集部に帰属します。
コメント