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新たな物語を紡ぐ箱根の旅 箱根・翠松園の「粋」

2026年4月9日、『箱根・翠松園』が改修という、しばしの眠りから覚めリスタートした。三井財閥の別荘として建てられた登録有形文化財「三井翠松園」を継承した「料亭 紅葉」の料理。豊かな自然と名湯・箱根の湯と地域の歴史と文化を包み込んだ宿は、新たな時代に向けて軽やかにバージョンアップを遂げている。

「料亭 紅葉」の冒雨剪韭

大正ロマンを感じる世界観。ロビーラウンジはチェックインチェックアウトだけでなく、想い出の品を買い求める場であり語らいの場でもある

大正14年に建てられ、早101年の時を刻む登録有形文化財「三井翠松園」。現在は、『箱根・翠松園』の象徴でありつつ、ゲストをもてなす「料亭 紅葉(もみじ)」と名前を変えている。その料亭を囲む客室は23室。すべてスイートで源泉掛け流しの温泉付きという贅沢な空間が訪れる人の心を掴んで離さない。

「料亭 紅葉」の庭園には樹齢300年の紅葉、柏、桜ほかの樹木が。趣きと相まって日本の美意識を堪能できる

すでに箱根は紫陽花に彩られる季節を迎える。日々、草木は青く生い茂り、日常との境を作る。静かで美しく生命感に溢れたいま、訪ねるにふさわしい宿だ。

大正ロマンの雰囲気のなか、17時からはワイン、スパークリングワイン、ビール他のアルコールやノンアルコールドリンクが提供される

チェックイン後、「料亭 紅葉」内の「バー 伊都(いと)」では14時から17時までアルコールやノンアルコールドリンク、スナックを提供。庭園を眺めつつ静かな時間を楽しむことができる。光注ぐ庭園も美しいがランプの下、バーから眺める黄昏時も格別。

晩秋から初冬に現れる箱根の雲海の情景を模った前菜

滞在中、夕食と朝食を提供する「料亭 紅葉」。日本料理のコースメニューや鉄板焼きを味わえる。宿泊プランは二食(夕食・朝食)付き。一部の客室ではお部屋食が可能なので予約の際に選択できる。大切な方と訪れ、温泉と食事を堪能したいならお部屋食をお薦めしたい。

◆料亭 紅葉
<夕食>
日本料理 18:00~20:30(最終開始時刻)
鉄板焼き 18:00~ 20:30~(最終開始時刻)
<朝食>
和朝食 8:00~10:00(最終開始時刻)
<お部屋食>
301号室、401号室、402号室、403号室に宿泊するとレストランまたは客室で食事ができる

(左上)豌豆まめ新緑仕立て(右上)黒毛和牛の山椒石焼き(左下)江戸前煮穴子の釜炊き御飯(右下)水菓子・くりーむそーだ

お食事は日本料理のコースを一例にすると、まさに「旬」と「美」をいただく内容。料理長は神奈川県をはじめとした全国の食材、季節の美味を吟味し、器にも気を配る。そうして出来上がった料理を口に運ぶと、和歌のように心と胃袋に沁みいる。

そして、口にするもの、見るものに、その都度、郷愁を覚えるのが『箱根・翠松園』の五感に響くおもてなしなのかもしれない。

箱膳式に提供される朝食。食後に提供されるコーヒーは前日のうちにロビーラウンジで水だしされたもの

さて、次に客室について紹介する。

半露天風呂付きの客室で一日一夜

各部屋で趣きが違う

すべての客室が寛ぎにふさわしいスイートタイプであること、源泉掛け流しの温泉付きがあることは最初に説明した通りだが、さらにサウナ付きの大浴場も構え、存分に心身の洗濯ができる。なんといっても贅沢なのは温泉露天風呂を自室で独占できることだ。

◆温泉
客室風呂:源泉かけ流し小涌谷温泉
大浴場:循環濾過式弱アルカリ性一単純温泉・無色
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩など

好んで同じ部屋に泊まる方、来るたびに違った部屋をめぐる常連客もいる

23室の客室はすべてデザインが違い、ミストサウナ付きや琉球畳の和室、メゾネットスタイルの客室他がある。寝室部分はネスト(巣)のような安心感とぬくもりがある空間。館内を行き来できる浴衣や丹前、草履。部屋着も用意されていて我が家のように寛げる上、札のついたドリンク以外は無料というサービスが加わる。ますます、敷地内どころか客室から出たくなくなってしまうに違いない。

箱根・翠松園
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷519−9

電話番号:0570-0117-22(代表)
HP  https://www.hakonesuishoen.jp/
アクセス:箱根登山線小涌谷駅より車で5分 送迎サービスあり/車 東京方面(所要時間 約80~100分)厚木ICから約50分、御殿場ICから約30分
一部写真提供:箱根・翠松園
photo&text:Satsuki Izumi


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泉美 咲月

泉美 咲月

旅するジャーナリスト

いずみ・さつき/文筆家&写真家、旅とホテルのジャーナリスト。『旅を愛する大人のWebマガジン Voyager』編集長。タイ国政府観光庁認定 タイランドスペシャリスト2019。フリーランスで活動する一方、日本の医師32万人(医師の94%)が会員である医療ポータルサイト『m3.com』内、Doctors LIFESTYLE編集部にて編集部員兼、医師に向けた旅や暮らしのガイドを務めている。2020年以降のコロナ禍も国内外のラグジュアリーホテルを中心に日本で最多といえる160ヵ所以上試泊&執筆。著書に『台湾カフェ漫遊』『京都とっておき和菓子散歩』『40代大人女子のための開運タイごほうび旅行』他がある。

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