ミュージシャン、浜崎貴司さん(52歳)。自らがボーカルつとめるバンド『FLYING KIDS』が今年結成30周年を迎えた。1989年、人気テレビ番組『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』に出演。初代グランドイカ天キングの栄光に輝き、1990年にメジャーデビュー。以来、数々の楽曲を生み出し、ミュージックシーンで絶えず活躍を続けてきた浜崎貴司という名の人生について尋ねた。
スタートライン FLYING KIDSデビュー
小中学生時代からミュージシャンに憧れ、その才能と自由さに魅了されてきた浜崎貴司さん。ビートルズに始まりRCサクセションといったロックやリズム&ブルースに痺れ、気づけばミュージシャンとして生きることを至極当然に描くようになった。それは「夢」ではなく、明確なビジョンだったという。1989年、大学在学中にFLYING KIDSを結成。テレビ番組で高評価を受け、あれよあれよという間にプロデビューを果たす。
「振り返ってみると奇跡の連続。”絶対にミュージシャンになる”というイメージは常にありました。とはいっても、なんの伝手もなく、ただ”なんとかなる”と確信していたのです」
平成元年に放送が開始されたちまち大人気となった『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』、通称『いか天』に出場。5週連続で勝ち抜きプロへの切符を手にする。すべてが偶然といえば偶然。しかし浜崎さんにとっては必然の出来事が続きます。
「デビューが決まり勿論”わーい、嬉しい!”と高揚した気持ちになりました。一方で自分なりのイメージを固く持っていたので”こういうことなんだな”、”だからこそ、これまでがあったんだ”と腑に落ちる部分もあって。今思えば若く、ちょっと自信過剰な部分もあったかもしれません(笑)」
FLYING KIDS(フライングキッズ)
1988年結成。現在9人組ファンクバンド。1989年、TBS『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』に出演。3代目いか天キングとして5週連続勝ち抜きを達成、初代グランドキングとなる。1990年、シングル『幸せであるように』でメジャーデビュー。その後、スマッシュヒットを連発。19枚のシングルと11枚のアルバムをリリースし、1998年に解散。2007年に再結成、ライブを中心とした活動を行っている。2018年の結成30周年を前にして、新メンバー加入(バンド史上最多となる9人)、アナログリリース(バンド史上初の7inchリリース)、原宿クロコダイル3か月連続ライブ(デビュー年以来30年ぶりのクロコダイル出演)、と勢いを加速させている。
HP:http://fk6.jp/
ご両親の強い希望もあり一時はプランニング会社に就職。日に日に高まっていく人気と増えていく活動にサラリーマン生活は長くは続かず、半年で退職。当時は珍しかったファンクバンドの先陣を切り、1stシングル『幸せであるように』でデビューを果たす。頭の中にあったビジョンが次々に実現し始める。
【FLYING KIDS/幸せであるように MUSIC VIDEO CLIP Victor Entertainment】
テレビドラマで俳優デビューもした。中山美穂さん、浜田雅功さん、岡田浩暉さんらと4人兄妹を演じたTBS『もしも願いが叶うなら』などVoyager世代にとって記憶に残る作品に数々出演している。
「当時は過酷なスケジュールでした。実は子どものころから身体が弱く、周囲も自分も”長くは生きられないかもしれない”、”30歳ぐらいで死んでしまうかもしれない”と思ってました。デビューはできたものの仕事は日増しに増えていきます。ライブにドラマ、作詞作曲、プロデュース……。年間1週間しか休みが取れない忙しさで心身共にツラかった。なにかあったときのためにと生命保険を多額にかけていたほどです」
寿命を意識しながらも絶えず階段を駆け上がる日々。多くの足跡を残したが結成から10年、デビュー8年目の1998年12月12日にFLYING KIDSは解散。浜崎さんはソロアーティストデビューの岐路を迎える。
コメント