奇蹟のFLYING KIDS集結
ソロ活動の最中に起こった最大の変化といえばFLYING KIDS再結成だ。2007年にコーラスの浜谷淳子さんを除くオリジナルメンバー6人が集結した。
「解散から10年近い時間が過ぎ、傷が癒えつつありました。リーダーの伏島和雄にベースとコーラスを引き受けて貰ったんです。音を合わせたら久しぶりなのにピタリと合ってハモって。一瞬で「これがFLYING KIDSだ!」と響きました」
実感した相性、年月のブランクなく生まれる調和。これが新生FLYING KIDSへと繋がる。賛否両論は確かにあった。
「再結成する理由は必要だった気がします。解散の時、多くの人が傷ついた。中には楽器に触れてすらいなかったメンバーもいました。始めてみると権勢し合っていた頃のムードも残っていた。傷を抱えながらリハビリテーションしながらの活動がスタートしました」
必ず戻ってくると信じていたファンも当然いた。40代になったFLYING KIDSの登場にむしろ新鮮な気持ちを抱き、ファンとなった者も大勢いたはずだ。その後もメンバーの脱退、Elliさん(ボーカル)、SWING-Oさん(キーボード)、宇賀まりさん(サックス)、竹本一匹さん(パーカッション)が新規加入。バンド史上最多9人編成のFLYING KIDSに成長した。
そして結成30周年の今年2月14日、7年ぶりとなるオリジナルアルバム『みんなあれについて考えてる』をリリースした。1stアルバム『続いてゆくのかな』の1曲目『あれの唄』の歌詞の一節からタイトルを付けた。ジャケットのイラストは浜崎さんが案を出し下絵を描いている。タイトルばかりでなく30周年にちなみ『我想うゆえに我あり』『♂+♀(ボーイミーツガール) 』など過去の作品から引用し自らFLYING KIDSをサンプリングした試みだ。
「この期に及んでやっとできた気がします。自分たちを再認識する機会でもありました。世の中に向けて”FLYING KIDSって、こんな感じじゃないの?”と今の僕たちが体現しているような。懐かしさと新鮮さが共存した仕上がりです」
【フライングキッズ「ラッセーラ」MV YouTube Ver. Victor Entertainment】
道は一度分かれそれぞれに進んだ。やがて見渡せば道は並行し皆が手の届くちょうどいい距離で歩いている、今はそんな感じかもしれない。
いか天歴代キングは28代続いた。そこから数組メジャーデビューに至ったが現存も活動するバンドは唯一『FLYING KIDS』のみといってよく、平成を生き抜いた希少な存在となった。
「僕の人生をひと言で表すならば予定もマニュアルもない、宛のない旅です。
決して順風満帆ではなかったこともあるので”浜崎貴司の人生が順調であった”と、いい切りたくない面もあります。でもツラいことはあっても一度もミュージシャンをやめようと思ったことはありません。
勿論、失敗もありました。でも失敗というのは努力しなかった時に起こる不注意で怠け心です。そうならないためにも自分で気にかけ、物事をひとつひとつ片付ける、確認するようにしています。旅にたとえるならば、航海を行うための準備だったり目くばせだったり、責任を持ってプロデュースしていくことが大切です。
30歳までに早逝するはずが、あっという間に30代が過ぎ、40歳を超えると大人のミュージシャンになり、これからも生きていくのだとイメージが湧くようになりました。すでに50代を迎えましたが動じない心と態度で、これからも音楽を続けていきたいと思っています」
【2018.April】
Information
FLYING KIDS Billboard Live 2018 『みんなあれについて考えてる』
日程:2018 年4 月7 日(土) チケット発売中
会場:ビルボードライブ東京
時間:※1 日2 ステージ(完全入替)
1st ステージ:OPEN 15:30 START 16:30
2nd ステージ:OPEN 18:30 START 19:30
料金:サービスエリア:7,400 円 カジュアルエリア:5,900 円 (1 ドリンク付)
予約・問合せ:ビルボードライブ東京 03-3405-1133
ニューアルバム みんなあれについて考えてる FLYING KIDS
2018年2月14日(水)発売CD(3,000円+税) VICL-64911
1. 新・我想うゆえに我あり
2. Don’t Give It Up!
3. ♂+♀(ボーイミーツガール) Album ver.
4. 明日なんて忘れちゃおう
5. あいのいたみ
6. ラッセーラ
7. ファンキースター
8. アンネの日記
9. 夜の散歩をしないかね
10. クエスチョンズ Album ver.
11. 銀河系
12. ウスアカリ
<レギュラーラジオ>
■RADIO BERRY エフエム栃木
『ナニオキテンノ?』
オンエア:毎週日曜 22:00~22:30
※2018年4月1日よりFM岩手でオンエア(毎週日曜24:00~24:30)開始。
■RADIO TAKASAKI
『Air Place』
オンエア:毎月第3/第5の水曜日 16:00~18:55
高崎駅サテライトスタジオより生放送
※インターネットサイマルラジオ (PCやスマホなどで視聴可)
写真・文:泉美 咲月(Satsuki Izumi)
写真提供: INNOVATOR ASSOCIATES INC.
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