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【BOOK 旅に役立つ本2】飯山 陽著『イスラム教の論理』 新潮新書刊

旅に役立つ本。4月~6月はAsian Journeyで特集中のマレーシアに関連する本をご紹介します。

 イスラム教とは? イスラム教徒とは?

 Asian Journey『大人が旅する初めてのマレーシア 5泊6日のマラッカ&クアラルンプール』で興味を持たれた方へのご紹介、2冊目は『イスラム教の論理』。レーシアの国民、61%が信仰するイスラム教。またアジア各国においてもイスラム教信者は思いの外、少なくない。しかし数々ある宗教の中で、日本人には少し遠いところにある宗教でもある。だが宗教は価値観にも大きく影響することから、たとえ数日間、旅をするだけだとしても、訪問国の宗教を理解し尊重したいものだ。そこで2回・2冊に渡ってイスラム教について触れる本を紹介する。

スラム思想研究者である著者によるイスラム教を「イスラム教の論理に則して」論じた一冊かし、”イスラム国”によって引き起こされるテロ事件を見聞きする度に知らなさ故、「恐怖」とあと味の悪さだけが残る傾向がある。だが、それだけで嫌悪するのはただ無知の上塗りとなり、拒絶し続けることになる。が知りたいと考えるのであれば、イスラム教の世界観と”イスラム国”の比較を一度読んでおいて損はないのではないか。「イスラム教ってどんな宗教?」「イスラム国ってどうしてテロを起こすの?」というシンプルな疑問や最近見聞きすることが増えてきたムスリムのハラール認証。総じてイスラム教の世界観を覗いてみたいと考える人にも適している。

『イスラム教の論理』
【目次】まえがき/第1章 イスラム教徒は「イスラム国」を否定できない/第2章 インターネットで増殖する「正しい」イスラム教徒/第3章 世界征服はイスラム教徒全員の義務である/第4章 自殺はダメだが自爆テロは推奨する不思議な死生観/第5章 娼婦はいないが女奴隷はいる世界/第6章 民主主義とは絶対に両立しない価値体系/第7章 イスラム社会の常識と日常
著者:飯山 陽
出版社:新潮新書
定価:780円+税
仕様:新書タイプ/240ページ/配本日:2018年2月15日/ISBN:978-4106107528

<著者プロフィール>
1976年東京生まれ。イスラム思想研究者。アラビア語通訳。上智大学アジア文化研究所客員所員。上智大学文学部史学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻イスラム学専門分野単位取得退学。博士(東京大学)。現在はメディア向けに中東情勢やイスラムに関係する世界情勢のモニタリング、リサーチなどを請け負いつつ、調査・研究を続けている。

Ⓒイスラム教の論理 飯山 陽著/新潮新書
協力:新潮新書


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